明治乳業「乳の価値創造研究」寄附研究部門を開設
日本の重要な食糧基地である北海道は,「食の安全・安心」を前提に持続的な循環型の農畜産の体系化を強く求められています。そこで、酪農を中心とした「食」について、生産,加工・流通,機能性,健康・医療の面から,体系的・創造的研究を進め21世紀型の農畜産モデルを北海道に確立することを目的に、北海道大学に明治乳業「乳の価値創造研究」寄附研究部門(寄附講座と同意)を開設しております。
21世紀の新しい酪農モデル構築の必要性
当社は、「食の新しい価値を創造し、お客様の健康で幸せな毎日に貢献する。」という企業理念のもと、「乳」という一つの素材からヨーグルト、チーズ、クリーム、コナミルクを始めとして幅広い乳製品を製造、販売しています。乳業会社は、「乳」という素材を介して酪農産業と表裏一体の関係にあります。特に、北海道は、国内生乳の50%弱を生産し、国内最大の生乳供給基地となっており、当社が集乳している生乳の50%以上が北海道からとなっています。
日本の酪農は、国際的な貿易の規制緩和が進展し、本格的な自由化にさらされる日が確実に迫ってきています。国においても「酪肉近代化基本方針」の中で、国際化の進展に対応するための具体的施策の一環として、
1.消費者ニーズに対応した牛乳・乳製品の生産・供給体制の構築
2.消費者の健康志向に沿った新たな機能面に着目した栄養学・医学的研究の推進
3.乳製品需要拡大のための新商品開発や栄養面での有効性に関する普及啓発の促進
を掲げています。これらの施策は、まさに「新たな乳の価値の創造」であり、そのためには、生産、加工・流通、機能性、健康・医療など多方面から、体系的・創造的に研究を行うことが重要です。つまり21世紀の新しい酪農モデルを構築するための「総合的な酪農科学の研究」は急務となっているのです。
北海道大学との連携
当社におきましても、これまで、牛乳・乳成分の新たな機能性の探求や、プロバイオティクス乳酸菌を利用した新たな機能性の探求、また、「食の安全・安心」を確立するために乳牛の飼養から乳製品の加工技術に至る体系化された生産技術の研究など、特定の研究分野にとらわれず、実学重視の「総合的な酪農科学研究」を指向することで、「乳の新たな価値」を創造する研究開発に取り組んでまいりました。
しかし、これを実現するためには、一企業の力だけではなく農学、獣医学、医学などの部門横断的な共同研究体制が必要です。
こうしたなか、前身の札幌農学校の時代からこれまで日本の酪農科学を創成してきており、今日では、酪農科学の最先端の研究拠点となっている北海道大学と連携を図っていくことは大変効果的な取り組みと言えます。さらに北海道大学創成科学共同研究機構は、北海道大学の中核的研究拠点として、「新たな学問領域の創成」と「部門横断的な研究の推進」の機能を併せ持ち、「総合的な酪農科学研究」を推進する場としては最適の研究拠点であることから、当社は、本機構の中に寄附研究部門の設立をお願いしたという経緯です。
日本の酪農乳業の発展に貢献するために
「乳の新たな価値」を探求・創造し、それを付加していくことは、今後の乳業・酪農の発展にとって非常に重要な命題であり、そのための研究基盤の整備は、必要不可欠なことです。本寄附研究部門が、今後、北海道大学に根ざした学問、科学と一体となり、酪農科学のさらなる発展を介して、北海道、ひいては日本の酪農乳業の発展に貢献できればという願いを込めて研究活動をサポートしています。
本研究部門は年間1億円の規模で5年間継続されます。この間に当社並びに北海道大学はもとより,他の北海道の関連大学や行政とも連携し農畜産モデル形成の拠点として機能する組織づくりも推進しています。





